CloudWatch で QuickSightのメトリクスが利用できるようになりました

CloudWatch で QuickSightのメトリクスが利用できるようになりました

Clock Icon2022.06.24

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いわさです。

ついに、CloudWatch で QuickSight のメトリクスサポートが開始されました。
東京リージョンでも利用可能です。

本日は早速、 CloudWatch で何が監視・分析できるようになったのかを見ていきたいと思います。

監視出来る項目

ここでは情報を抜粋し、まとめた形でご紹介できればと思っています。
個々の情報は抜粋していますが、項目としては本日時点でサポートされているメトリクスを網羅して記述します。

各項目の詳細は以下のドキュメントをご確認ください。

大きく、ダッシュボードをユーザーへ表示する際のメトリクスと、SPICEタイプのデータセットへ取り込みを行う際のメトリクスを監視・分析することが出来るようになりました。
なお、Enterpriseエディションでのみ利用可能とのことです。

ダッシュボードに関するメトリクス

まず、以下の情報にアクセスが出来ます。

  • ダッシュボードの表示回数: DashboardViewCount
  • ダッシュボードの読み込みにかかる時間(ミリ秒): DashboardViewLoadTime

これらは個別のダッシュボードの情報を取得することも出来ますし、QuickSightアカウント内の対象リージョン全体のダッシュボードの統計情報を取得することも出来ます。
これらを監視することで、公開・共有したダッシュボードがどの程度閲覧されているのか、ユーザーがアクセスしてからダッシュボードのレンダリングが完了するまでに遅延が発生しているかどうかを分析・監視することが出来ます。

特に、DashboardViewLoadTimeは提供しているダッシュボードにパフォーマンス改善が必要かどうかの指標になると思いますのでまず監視項目としておきたいですね。

ビジュアルに関するメトリクス

ダッシュボードの遅延が発生していた場合、さらに個々のビジュアル(ダッシュボード上に配置されているグラフなど)に関する分析を行うことが出来ます。
ここでは以下の情報にアクセスすることが出来ます。

  • ビジュアルの必要なクエリデータを受信するのにかかる時間(ミリ秒): VisualLoadTime
  • ビジュアルがデータクエリを完了できなかった回数: VisualLoadErrorCount

ダッシュボードに複数のビジュアルが含まれている場合に、どのビジュアルがパフォーマンスに影響が出ているのかを分析することが出来ます。
また、ダッシュボードレベルでは遅延に関する情報まででしたが、個々のビジュアルメトリクスではエラーカウントを取得することが出来ます。

特にダイレクトクエリタイプでデータセットを構成している際に、インフラ側の問題でエラーになってしまっているケースなどを早期発見できそうなので、こちらも監視項目としておきたいですね。

パフォーマンス上の問題が出ている場合は、データセットがダイレクトクエリタイプであればカスタムクエリの見直しや別タイプの検討、SPICEタイプであれば対象データや計算フィールドの見直しなどの対策につなげることが出来ます。

SPICEの取り込みに関するメトリクス

QuickSight ではデータセットを作成し分析とダッシュボードを展開します。
データセットにはSPICEとダイレクトリクエリのタイプがあります。ダイレクトクエリの場合はビジュアルをレンダリングする際にデータソースへクエリが飛びますが、SPICEの場合はオンデマンドあるいは定期的に「取り込み」を行います。

今回は、そのデータセットごとの取り込みに関する情報へアクセス出来るようになりました。

  • 取り込み回数: IngestionInvocationCount
  • 取り込み行数: IngestionRowCount
  • 取り込みにかかった時間(秒): IngestionLatency
  • 取り込みに失敗した回数: IngestionErrorCount

取り込み回数、取り込み行数で基本的な分析を行うことが出来て、取り込みにかかった時間と失敗した数から問題の検知と改善を行うことが出来ます。
特に、定期的なSPICE取り込みがスケジューリングされている場合は、後者2つに関しては監視項目としておきたいですね。

取り込みに時間がかかるようであれば、SPICEの増分更新機能を検討したり、取り込み元のターゲットデータソースを見直すことが出来ます。

さいごに

本日は CloudWatch で QuickSight のメトリクスが利用出来るようになったので、どういった値が利用出来るのかを確認しました。

今回サポートされたのは主に、提供しているダッシュボードがユーザーに問題なく提供出来ているか。エラーが発生していたり、パフォーマンス上の懸念が出ていないか。を監視・分析できるようなメトリクスという印象です。いずれもダッシュボードを運用・改善する際に必要な指標だと思います。

QuickSightでSPICEを利用する際に使用量を監視したいシーンも多いと思いますが、それはまだ未対応のようです。
今後のサポートが期待されますね。
SPICE使用量についてはカスタムメトリクスで収集する方法を以前紹介させて頂きましたので宜しければそちらもご参照ください。

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